2013/02/14

外国人100人を面接した女子大生が語る“面接官の気持ち”と“就活生に送る~面接の心構え”



-はじめに-


「ラングリッチ」オフィス入口で|両端はフィリピン人講師。真ん中が筆者。


 「外国人を100人面接しました。」これは紛れもない事実で、“面接官”の私は22歳の大学4年生です。場所はフィリピン共和国のセブ島。オンライン英会話学校を運営する「ラングリッチ」という日本企業で5カ月間インターンシップをしてきました。

 一般的な面接と違う点は、私が“マーケティング”という立場から、彼ら講師たちを面接した点。私は、それらの面接を基に彼らの“宣伝材料”になる“講師プロフィール記事”をWEB上に作成していました。

【例】 レディ講師のプロフィール記事 bit.ly/XSD43R
(誰でも閲覧可能。計400名以上いる講師たちの中から、講師選びをする判断材料になる。)

そのため、面接官の私が見るべき点は“目の前の彼(彼女)の、英会話講師としての売り(セールスポイント)”。中期的な目標は「優秀な英会話講師に共通する要素(コンピテンシー)を見つけ出すこと」でした。

※「優秀な英会話講師に共通する要素(コンピテンシー)を見つけ出すこと」の結論は、前記事「外国人100人以上を面接した女子大生が見た「フィリピン共和国の英語教育ビジネスを支える講師たちの素顔」と「オンライン英会話サービスの未来」」にも記しています。ご参照ください。



【Ⅰ章】面接官の心得。~英語力が向上しました。面接をどうやったか。”では、「面接の作り方」「面接官の経験から学んだこと」をご紹介します。

【Ⅱ章】これから面接を受けるあなたが持つべき心構え:就活生へ”では、「面接官の視点」と「就活生の経験(筆者は2013卒の元・就活生です)」から、これから面接を控える人へ4点のアドバイスを送ります。



【Ⅰ章】面接官の心得。~英語力が向上しました。面接をどうやったか。
 
 面接では、私は“評価する者”、講師たちは“評価される者”です。“評価する者”は“評価される者”を理解する能力が必要です。さて、果たして我々は初対面の人を30分間で理解・評価することはできるでしょうか。主観的な印象ではなく、客観的な基準で。

 外国人講師の話を理解し、評価するために私が行った4つのことが以下の通りです。

a. より高度でフォーマルな英会話のスキルを習得した

 正確には「習得した」というのは結果論です。私が初めてラングリッチの講師と面接をしたのは2011年9月1日。チャールズ講師( http://bit.ly/VwLErQ )
 
 私は、自身の英語力に神経質になりました。なぜならば、面接官の私の英語力が稚拙であると、「(質問自体が不明瞭で意味不明だから)講師は質問に対して十分な回答ができない」「(面接官の理解度に疑問があるので)講師の話すテンポが乱れ、饒舌に多くのことを話せない」等、面接を受ける側の講師にとって不利益、かつ記事を執筆する私も十分な情報が得られないでしょう。面接を受ける立場(就職活動)も経験してきた私自身、『この面接官、自分の話をちゃんと理解してくれているか不安…』という気持ちで面接を受けたくありません。“面接を受ける講師への礼儀”として、私は相応の英語力を備えていなければならなかったのです。

具体的には、
質問項目の洗練…質問1つ1つの文法的な誤りはないか確認。自分が聞きたいことと、質問(英語)の意味の整合性がとれているかを確認。質問項目の追加・取捨選択。
上品な英語を話す…相手に敬意を払うために、上品な言葉づかいをする。
例:×How old are you?(君、いくつ?)
○Would it be rude to ask your age?(お年をお聞きしたらご迷惑でしょうか?)

私自身、「ビジネスの場面である」と意識していましたので、言い回しには気を付けました。ちょっとした気遣いで、面接する側もされる側も対等な立場で気持ちよく対話をすることができます。

b. 面接の目的を明確に伝える

 この面接は、講師たちのプロフィール記事を作成することを目的としています。就職面接とは違います。欠点を探す面接ではなく、美点(セールスポイント)を探るための面接です。更に、私は1人1人の独創性をも見つけ出したいと願っています。
 ラングリッチの抱えるオンライン英会話講師の数は約400名(2013/1現在)。“フレンドリーで”“歌うことと映画が好きな”講師は200人以上います。「他の講師には無い独創性他の講師よりも明らかに優れている点」を教えてほしいのだ、と直接つたえていました。

【例】
「他の講師には無い独創性」日本の大河ドラマの熱狂的ファン! キンバリー講師 bit.ly/SCvHOV
「他の講師よりも明らかに優れている点」オーストラリアの大学を卒業。 クリッシー講師 bit.ly/URshF0

c. 楽に話せる空気を作る

 「面接(Interview)」と呼び出され、とても緊張してしまう講師もいます。
 ある男性講師(私よりも1歳年上)は、緊張が空回りして無表情でそっけない受け答えでした。
 
  私「実際に受け持った生徒様からは、どんな評価をいただくことがありますか?」
  男性講師「…私の笑顔が大好きで、冗談が面白いと言ってくれます。」
  私「…!?(冗談はおよしなさい)…緊張してます?全然笑わないからクールな人だと判断したのだけど。」
  男性講師「…緊張しているんです。」

 この1件以来、講師が大学生でも20代でも30代でも、ほぼ同様のことを面接開始時に言うようになりました。以下、テンプレです。身振り手振りを大きく、とてもいい笑顔で!
「はじめまして!今日は来てくれてありがとう~!今日の面接…と言っても、ぜーんぜん緊張しないでください。私の名前はtomoです。22歳、まだ学生です。よろしくお願いします。 私は貴方の“講師プロフィール記事”を書くことが目的です。このプロフィール記事、生徒さんに授業を予約してもらうために、重要な情報ですよね。いわば貴方の宣伝チラシ。『400人もいる講師の中から、なぜ貴方の授業を受けるべきか。貴方の授業では、どんな利益を享受することができるか。』それを書きたいのです。私は人事部(Human Resource)じゃなくて、貴方のプロモーターです。だから緊張はしないで、今日は貴方自身を私に売り込んでください!」

不要な心配(“悪く評価されて解雇されるのでは?”)を早々に解消して、目的に即した回答(なぜ貴方の授業を受けるべきか)を引き出せるようにするためのテクニックです。

d. 講師としての素質を試す

 30分の面接時間内に「講師が実際にどのように授業を行うのか」を見極める必要があります。英会話講師として優秀であるためには、積極性があって、発音が綺麗で、試験の点数が高いだけでは不十分です。英語での意思疎通が満足に出来ない生徒を励まし、辛抱強く理解しようと努める、教育への情熱が何よりも大事です。
“英語が得意な人”と“英語を教えることが得意な人”は違うのです。英会話講師は“話し上手”よりも“聞き上手”であることが求められています。生徒様が話し(スピーキング)をしてこそ、生徒様の英会話力を鍛えられるのです。
 
 これらを念頭に、実は隅々を観察していました。“面接官”の私の英文法のミスを、さらりと指摘してくれるくらい冷静で堂々とした講師が、私は好きです。



【Ⅱ章】これから面接を受けるあなたが持つべき心構え:就活生へ

 私が面接官をしていて「この人はいいな!と思えたこと」、そして「ため息をつきたくなったこと」「イラッとしたこと」から、以下の4点を“これから面接を受けるあなた(特に新卒の就活生)”にアドバイスさせていただきます。

 1)面接の目的を十分に理解する。面接官が「求めている人材像」の仮説を立てる。
 2)定量的なことを話す。自分の「強み」を客観的事実に基づいて証明する。
 3)差別化。記憶に残る“オリジナリティ”を話す。自分の言葉で話す。
 4)聞かれた質問に対応する答えを話す。質問の意図以外のことをダラダラ話さない。

どんな面接の場でも通用する基本的な心構えですが、日本の新卒の就活生ですらこの4点をクリアできている人は稀だと思います。「なぜこれらの心構えが必要なのか」その理由もお話しします。ぜひ一読して、自分を振り返ってみてください。


 1)面接の目的を十分に理解する。面接官が「求めている人材像」の仮説を立てる。

  面接をすることの目的:「あなたが“求める人材像”に近いかどうかを確認するため」「あなたを雇用するメリットを数値化して確認するため」「人柄・態度・(相性)を知るため」など

  企業風土、業界、職種によって“求める人材像”は変わってきます。たとえば、英会話講師の場合「英語運用能力が高い。指導力がある。礼儀正しい。」として、更に「英語運用能力が高い=英会話講師の職歴がある。TOEICの高い点数を持っている。英語で論文を書くことができる。」と、具体的な要件を挙げてみましょう。「企業が人材に求めている要件を、自分は達成している。」という視点で話を組み立てれば、闇雲に“自分の長所”を列挙するよりも、効果的に自分を売り込むことができます。


*「仮説を立てた面接」*おすすめの本*

 
 『ロジカル面接術』 企業が面接で聞きたいことはただ1つ、「あなたは会社に貢献できるのか」
  ・大手総合商社に入社した先輩に薦められた良書です。
 『仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法 [Kindle版]


 2)定量的なことを話す。自分の「強み」を客観的事実に基づいて証明する。

  面接で話をする時は「定量的に(計測可能な方法で)事実を伝えること」を心がけてください。

【例】
 定性的な話し方「英語は子供のころから得意科目です。大学では英語のスピーチコンテストで優勝しました。多くの生徒さんから高い評価を頂戴しています。」
 定量的な話し方「5歳の頃から英語を学び始め、中学・高校の英語の試験では常に学年で上位10%以内でした。大学ではスピーチコンテストに参加し、10分間の自作スピーチで、予選を含め200人の中から優勝することができました。1日に12コマある授業のうち、8コマは常連の生徒さんの予約で埋まってしまいます。半年間勤務していますが、生徒さんの満足度調査で“不満”と答えた方は2人しかいませんでした。」

 どうでしょうか?同じ事実でも、数値化して定量的に話すと「話に信憑性が出る」「具体的な数値を基に、他者と比較することができる」という利点があります。


 また、「客観的事実に基づいて証明する」方法の1つに「第三者からの評価を紹介する方法」があります。

【例】
 「ある生徒さんから“口調が丁寧で常に笑顔。プレッシャーを感じることなく、1番楽しく授業を受けることができる先生です”と言われたことがあります。」

 上記の例では、定性的な内容でも“ある生徒さんから言われた”と「第三者の評価(客観的な評価)」であることを添えると、面接官が受けとる印象が変わります。


 3)差別化。記憶に残る“オリジナリティ”を話す。自分の言葉で話す。

 100人以上を面接していると、“紹介記事を書くのに苦労をした講師”が何人かいます。英語ができないわけでも、性格に問題があるわけでもない。しかしながら、特筆すべき点も見当たらない。実は、面接を受ける講師が悪いわけではありません。ただ、面接官は既に何十人・何百人と面接をしていて“繰り返し聞かされた話”が山ほどあるのです。「英語講師になった理由は、人を育てることに喜びを感じるから。」「どんな生徒さんにも、忍耐強く笑顔で教えます。」…耳にタコが出来るほど聞いてきた言葉です。

 既に、Ⅰ章で“私は1人1人の独創性をも見つけ出したいと願っています”“「他の講師には無い独創性」「他の講師よりも明らかに優れている点」を教えてほしい”と書きましたが、どんな企業の面接官でも同じ気持ちだと思います。
 同程度に優秀な2人の学生から1人だけを受からせるためには、面接官は「なぜ甲は乙よりも優れているか。なぜ同程度に優秀な乙を落として、甲を採用することが妥当であったのか。」という“明確な理由”を言語化して上司や人事部に伝えなくてはいけません。
 
“定量的事実”を効果的に伝えながら、“陳腐な言い回しの模範解答”ではなく“自分の言葉”を使って、自分自身を売り込んでください。

もう一言付け加えると、採用面接では「他人と違うことが、どのように有利であるか。」を明確に伝えられれば上出来です。「他人とは違う、唯一無二の自分!」を声高にアピールするのではなく、あなたの持つ“他人とは違う何か”が企業に利益をもたらすことができるというところまで論理的に説明する練習をしてみてください。“ただの変人”は求めていません。“企業に革新を起こせる(少なくとも利益を生み出せる)変人”になってください。

 ※“変人”という言葉は語弊があるかもしれませんが、「数百人・数千人の面接受験者(学生)」の中で、“印象に残らない1人”にならないための心構えだと思ってください。


 4)聞かれた質問に対応する答えを話す。質問の意図以外のことをダラダラ話さない。

 面接官の私の頭を悩ませたのが「話の長い人」しかも「講師紹介記事には書けないような話を始めてしまう人」でした。私が面接時間として設定したのは、25分間もしくは50分間でした(オンライン英会話授業の1・2コマ分)。限られた面接時間で、講師紹介記事に書くことができる講師のセールスポイントを1つでも多く聞き出そうとしているのに、1つの質問への答えが長すぎたり、家族や友人の話をし始める講師がいて困りました。
 これは、面接を受けている講師が、私(面接官)の意図「講師紹介記事に書くことができる講師のセールスポイントを1つでも多く聞き出そうとしている」に気づかず、自分の話に夢中になってしまったから起こりました。

 この記事を読んでいる就職活動生の方の中にも、自己PRに必死になるばかり、面接官が見えなくなってしまっている人もいるかもしれません。面接は、あくまで“面接官との対話”です。
 面接官は、学生が質問に対して100%完璧な返答をできないことは承知の上なので、学生の話の中で気になった点は噛み砕いて質問し直し、深く掘り下げます。面接官との対話の中で、思いがけない「自分自身のセールスポイント(強み)」を発見することもあります。一方で、興味の湧かなかった話は無視して次に進みます。

 面接は、面接官との対話。…私(筆者)のように話が冗長な人は注意してください。



-おわりに-

 以上が、100人のフィリピン人英会話講師を面接した末に、大学4年生の筆者がたどり着いた結論です。そもそも“マーケティング”の担当でインターンシップをしていたはずが、ここまで“人事”の知識と経験がつくとは思っていませんでした。

 100人のフィリピン人を面接すること。それは即ち、100人のフィリピン人の「ストーリー」を聴くことでした。100人それぞれの人間と1対1で向き合い、「フィリピン人」のステレオタイプがどんどん崩されていきました。
 “異文化理解”“外国人と理解しあうこと”を1つのテーマにして英語を学習しているので、非常に重要な経験であったことは言うまでもありません。

 

 長文をお読みいただき、ありがとうございました。
 多くの就活生の目にふれてほしい記事なので、TwitterやFacebookでのシェアをお願いいたします。



@tomo627 こと Tomo

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